Tsallis 統計力学を勉強中
Tsallis 統計力学なるものがあるらしい。勉強中である。
複雑系のための基礎数理―べき乗則とツァリスエントロピーの数理 (数理情報科学シリーズ)
- 作者: 須鎗弘樹
- 出版社/メーカー: 牧野書店
- 発売日: 2010/08/01
- メディア: 単行本
- クリック: 20回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
非加法的な統計力学らしい。エントロピーに加法性が成り立たないような統計力学。q-統計ともいうらしい。 普通のボルツマン-ギブス統計(加法的)、シャノンエントロピーを内包する( のとき)。
上記書籍の著者である須槍さんの資料(Tsallis 統計の基礎数理)が詳しい http://www.ne.jp/asahi/hiroki/suyari/suyari's_manuscript_mathphys2009_revised_v1.1.pdf
Tsallis エントロピーをいきなり持ち出す不自然さや、シャノンエントロピーのような情報理論的な意味付けも困難なため、議論の出発点として「べき関数」が「指数関数」の一般的な表現であることからはじまる。
これをよりどころにしてTsallis エントロピーの性質を探っていくようである。 で、の解からq指数関数、q対数関数なるものを定義し、q積なるものを定義する。
ふつうのBG統計においては、最尤推定が観測誤差がガウス分布であることに対応するわけであるが、 その拡張として、q-ガウス分布なるものをが出てくる。 このときもちろんのときガウス分布に対応する。 ほかにもこのq-ガウス分布は、qの値によってよく知られたt-分布やCauchy 分布、半円分布に対応する。 ようするにいままでのBG統計の一般化なのである。
これからq積がTsallis エントロピーにおける独立性を表現することに対応するらしいのだが、 ここちゃんとわかってない。あとの展開(Tsallis エントロピーの導出)で超重要である。
すやり先生のPDFの最後に、BG統計とTsallis統計の対応関係が載っている。
ここまで導くのに不自然な仮定や解釈困難な前提はなく、 べき関数が指数関数の一般表現であるという自然な事実から出発しているという点が重要なのだ。
引き続き、勉強する。
- 参考資料
http://www.ne.jp/asahi/hiroki/suyari/suyari's_manuscript_mathphys2009_revised_v1.1.pdf http://www.ne.jp/asahi/hiroki/suyari/suyari_jps08.pdf https://www.jstage.jst.go.jp/article/butsuri1946/54/4/54_4_287/_pdf/-char/ja https://en.wikipedia.org/wiki/Tsallis_entropy